あなたは大丈夫!?炎症と睡眠の関係
こんにちは。睡眠コンサルタント&理学療法士の睡眠セラピストです。
今回は、睡眠の質を落とす原因となる”身体の炎症”について、今回は少し深く解説していきたいと思います。
【身体の炎症とは?】
炎症反応とは、自分の身体に異変が起きた際に、自己を保護するために働くシステムの事です。
細菌やウィルス・異物などに反応し、炎症によりこれらを排除し、身体を正常に戻そうとする働きです!
風邪や怪我などで起きる急性炎症は、身体にとっては良い事なのですが、これが慢性炎症となると身体には悪影響を及ぼします。
慢性炎症とは、常に免疫系が働き続けて、自分の細胞や組織を傷付けてしまいます。
そうすると、血管を傷つけたりするため、脳卒中や心臓病・うつ病・肥満・アレルギー・糖尿病などを引き起こす要因になってしまうのです。
例えば、内臓脂肪です。
内臓脂肪は、身体にとって”異物”でしかありません。
内臓脂肪がある限り、身体の免疫系は作動し続け、身体は慢性的な炎症状態となってしまいます。内臓脂肪を食事制限や運動などで、改善しない限り身体は常に炎症を起こし続けて行くのです!
【慢性疲労と睡眠の関係性】
なぜ慢性炎症が起きると睡眠の質が悪くなるのか?
それは、コルチゾールというホルモンが関与しています!
コルチゾールは、副腎という臓器から分泌されるホルモンで、主に身体を興奮状態に持って行く作用があります(次回詳しく説明します)。
慢性炎症が起きると、コルチゾールが常時分泌され、慢性炎症を抑えようと頑張って働きます!しかし、慢性炎症はコルチゾールでは、完治できません。
慢性炎症がある限り、身体は興奮状態となり、睡眠に必要なメラトニンなどのホルモンの分泌も低下し、睡眠の質が悪くなるのです。
日本人の平日の睡眠時間は7時間14分であったと、2010年の国民生活時間調査で報告されています。これは、1960年のデータより1時間程度減少しています。
睡眠不足と炎症の関係は、様々な報告されており、2016年のカルフォルニア大学のメタ分析のデータでは、
- 平均睡眠時間が1日7〜9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが激増する。
- 夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える。
と報告されています。
やはり、睡眠不足が身体の炎症反応を増加させることは科学的にも証明されてきています。
また、最近の研究では、炎症反応が少ないほど睡眠時間が短くて住むのでは?というデータ報告されています。
2015年のUCLA論文で、タンザニアとナミビアの原住民の平均睡眠時間は、6.5時間程度しか寝ていなかったと報告されています。
狩猟民族の炎症反応も、先進国よりもかなり低値であり、脳卒中や動脈硬化のケースは殆どなく、糖尿病の発生率もおよそ1%程度と報告されています。
この研究のみで、炎症反応が少ないから睡眠時間が短いとは言えませんが、慢性炎症と睡眠時間は関係性が強いと言えます。
それだけ、先進国と狩猟民族の生活様式や生活習慣の変化の違いが、身体の慢性炎症を増加させ、私たちの身体を苦しめているのです。
【なぜ慢性炎症を引き起こすのか?】
- 慢性ストレス:慢性的なストレスは、ストレスホルモンである”コルチゾール”の過剰分泌されるため、慢性炎症を引き起こす。
- 加工食品の過剰摂取:加工食品には、オメガ6脂肪酸・トランス脂肪酸は、過剰に免疫系が反応するため、慢性炎症を引き起こす
- グルテンの過剰摂取:グルテンも身体にとって異物と認識されるため、免疫系が反応し慢性炎症を引き起こす。
- 糖質の過剰摂取:適度な糖質は身体にとって重要ですが、過剰な摂取は血糖値を急上昇させ、血管を傷つけるなど慢性炎症の引き金になります。
- 睡眠不足:睡眠不足・たっぷり睡眠は身体の炎症反応を引き起こします。
- リーキーガット症候群:簡単に説明すると腸に穴が空く病気。腸壁が破れ毒素が体内に侵入してしまうため、慢性炎症を引き起こします。ほとんどが腸内細菌の餌となる食物繊維等の不足により起きる。
- 運動不足・運動のやりすぎ:日頃の運動が足りないと慢性炎症の引き金になります。あと過度な運動も炎症を引き起こします!
などなどが、慢性炎症の引き金になります。
みなさんも当てはまる点が多いのではないでしょうか!?
慢性炎症の症状としては、慢性の疲労感なども伴います。慢性疲労が長期間続いている人は、慢性炎症を疑っても良いかもしれません!
【まとめ】
今回は、慢性炎症と睡眠の関係性について解説しました。
慢性炎症と睡眠の関係性は科学的にも証明されてきており、慢性炎症が睡眠に与える影響は計り知れません!
そのため、いかに身体の慢性炎症を少なくすることができるかが重要になってきます。
慢性炎症かもしれないと当てはまる点があった方は、上記の「なぜ慢性炎症を引き起こすか?」に記載している原因を見ながら自分の生活習慣を見直して見てください。
体調不良には、必ず原因があります。古代から現在まで様々な生活様式が変化しており、私たちの身体も対応できていない可能性も多くあります。
それを放っておくと、脳卒中や糖尿病など病気に真っしぐら!
病気になりたくなければ、今の自分の生活習慣を一つ一つ見直して行きましょう!